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神津島珍道中・・・最終話   

2009年 06月 18日

ダイビングショップに戻り、

ログブック(ダイビング日記みたいなもの)を書き、

スタッフ、おばさん達とお互い笑顔で挨拶をして、ショップを出発。


そして・・・・再び現実が・・・宿探しへ・・・。


僕らの荷物もダイビング前より重く感じる。


さすがに午前中のような元気はなく、

野宿が現実味を増してきた。。。



野宿か・・・。



歩き回るも、やはり空いている宿はなく、

空は急速に藍色に衣裳を変えてゆく。。。


浜辺の方向では楽しそうな歓声と共に花火が上がっている。。。


立ち止まって暫く花火を見ていたら、

何かこの状況が可笑しくなってきて、


野宿も良いかも・・・いや、野宿が良い!!

と思えてきた。

連れも同じ意見。


という事で、

宿探しから、


あうとさいど すりーぴんぐ えりあ 

探しスタート!!


目的が決まった途端、ワクワクしてきまして(笑)、


ズンズン歩いていると、風に乗って芳ばしい香りが・・・。

腹が急に減りだした。。。



匂いに誘われ歩いて行くと、

ペンションのお庭でバーベキューをしてまして!!


ジュ~~とお肉を美味しい感じにしてました(笑)。



ボ~っと眺めていたら、焼いていたおじさんが話しかけてきました。

おじさん『そんなにデカイ荷物持ってどこ行くの?こんな時間に』



そうなんです。ここでは非常に珍しい格好なのです。

船は朝到着。帰りは昼前に船は出る。


したがって、

夕方に荷物を持っている人は、ほぼいないのです。


僕ら『ちょっと色々ありまして、宿を出まして。
   明後日帰る予定だったんですけど、
   明日のフェリーが取れたらそれで帰ろうかと・・・。
   で、今日は野宿をしようかと・・・。』


おじさん『宿はどこだったの?』


僕ら『民宿〇〇〇です。』


おじさん『ああっ!!あそこかぁ。我慢できなかったのか・・・。』

僕ら『・・・。』

おじさん『あそこのおやじ有名だから(笑)』

僕ら『やっぱり・・・。』


おじさん『うちもペンションやってるけど、今いっぱいなんだよ・・・。』

僕ら『はい、大丈夫です。有難うございます。』

おじさん『じゃあさ、野宿の前に何か食べていきなよ!!』

僕ら『!!!良いんですか?』

と言いながらお肉の前に(笑)



焼きたてのお肉やソーセージを頂き、

おじさんに御礼を言い、野宿場探し再開!!



しかし嬉しい優しさでした。

お陰で元気に野宿が出来る(笑)。



歩いていると後ろから声が・・・、

『ちょっと待った!!!』


声の主は今別れたおじさん。


おじさん、建物内にいる奥さんに、

おじさん『お~い、今さぁ、布団の空いてるのあるか?』

奥さんの声『なんで?今日は満室だけど、予備は幾つかあるけど・・・』

おじさん『分かった!!』


おじさん、手招きして僕らを呼び戻した。


おじさん 『あのよぅ、今ちょうど使ってない・・・、
      学校のお泊り行事なんかで使う部屋があるのよ。
      ペンションとは別の建物なんだけど、
      ここから(ペンション)歩いて2~3分の場所だから。
      一般には貸してない部屋なんだけどさ、そこに泊まるかい?
      布団はペンションのがあるから運ばせるし、
      風呂はペンションの使えば良いし、
      食事もペンションまで来て食べてもらえば良いし。
      料金は民宿と同じで良いから。
      だから野宿はやめてよぅ、
      せっかく神津島に来てくれたんだから、
      良い想い出沢山作って帰って!!



僕ら『はい、お世話になります!!!ありがとうございます!!!』


助かった!!!

本当に助かった。。。



おじさんが神様に見えた。。。


早速、神様が本日からの宿に案内してくれた。

『ここだよ。』と神様。


玄関を入り、部屋を覘くと、

!!!!!



畳が1・2・3・4・5・・・・・・・・・・20畳はある。。。


昨日は3畳。。。


今日は20畳。。。



2人で20畳って(笑)。



極端すぎる(大笑)。


普段、学校のお泊り行事で使う部屋なので、広い広い!!

まるで宴会場!!!



程なくして女神様(奥様)がお布団を持ってきてくれた。



女神様にもしっかりご挨拶。。。

僕ら『お世話になります。』


女神様『・・・。』


・・・・・。

ご機嫌ななめ?!


そりゃそうです。

ただでさえ満室で忙しいのに、
神様が安請け合いして僕らを泊めることにして・・・。


食事も急に僕らの分も作らないといけなくなり・・・・。


そりゃあ、怒るよ。


神様『布団は好きな所に敷いて、
    風呂は適当にペンションに行ってね。
    それから夕食は今から作らせるから、
    出来たら呼びに来させるから。』

僕ら『いえいえ!!僕らが奥様に時間を伺いに行きます。』



神様『じゃあ、ゆっくりして!!』


と言い、ペンションへと戻っていった。



20畳の真ん中にポツンと置かれた布団2組。




色々試したが、

結局真ん中付近に並べて敷いた。



2m位離して(贅沢!!!)。






風呂、食事を済ませ、部屋に戻ると、

さすがに疲れていたのか、

すぐに深~い眠りの世界へ・・・・・。



翌朝、朝食を食べ終え外に出ると、神様に呼ばれた。


神様 『今日は如何するの?』

僕ら 『泊めていただけたんで、予定通り帰りは明日にして、
    今日は島の散歩でもしてゆっくりしようかと・・・。
    温泉があるってガイドブックに載っていたので、
    タクシーで温泉は行こうと思ってます。』


神様 『あのさぁ、車の運転は出来るの?』

僕ら 『・・・はい。』

神様 『じゃあさぁ、余ってる車あるから使って良いよ。
    どうせその車は乗らないし、好きにして。
    車あると便利だし。
    勿論、お金はいらないからね。』



神様~~っ、あなたはどこまで神様なのですか!!!



昨日まで野宿を覚悟していたのに、

今は広々とした部屋に美味しい料理、しかも車付き!!!


まさに地獄から天国。。。



車のおかげで、温泉は勿論、島を満喫できました。。。


この日もぐっすり眠り・・・、





さあいよいよ最後の朝。


朝食を食べ終え、女神様にご挨拶

僕ら 『本当にお世話になりました。全てのお食事、本当に美味しかったです!!
    ありがとうございました!!』


すると・・・

初めて・・・

女神が・・・


微笑んだ!!!




素敵な笑顔・・・。







僕らは出発までの時間を使って、

車を洗車しました。

心を込めて・・・汗だくになって・・・。


僕らが出来る唯一のお礼。

ガソリン満タンにして、車内もピカピカにして・・・。



この車は、

きっと女神様が普段使っている車だと車内で分かりました。


だから感謝を込めて。。。


ピカピカの車の座席にメッセージを残して。。。



いよいよお別れです。


僕らは神様女神様にご挨拶。



そしてフェリー乗り場へ向かいました。




こうして、神津島への旅は無事終わりました。。。

沢山の素敵な想い出が出来ました。





最後に・・・、




車の中のメッセージは一言、こう書きました。










神津島最高!!!



   おわり。

by taiju-yamamoto | 2009-06-18 02:53

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